椎葉の森クリニック

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一般内科・生活習慣病

風邪、インフルエンザ、発熱、頭痛、めまい、胃痛、腹痛、喘息、花粉症、頻尿、不眠、浮腫、アレルギーといった日常よくみられる疾患や症状、生活習慣病など幅広く診察いたします。

生活習慣病について

生活習慣病とは、食事、運動、喫煙、飲酒、休養などの生活習慣が、それらの病気の発症や進行に深く関与する病気のことを言います。主には、高血圧症、糖尿病、脂質代謝異常症、高尿酸血症、肥満があります。
健康診断で指摘を受けても、自覚症状がないとついそのまま放置しがちです。しかし、現時点で大きな問題がなくても、放置すればやがて動脈硬化が進行し、脳卒中や心筋梗塞の発症のリスクが高まります。一度発症すると、その後の生活の質が大きく低下する場合があります。そのため、脳血管疾患が発症しないよう、健康診断などで指摘を受けた時点から、予防に力を入れることが大切と考えています。
お薬を飲むことだけが治療ではありません。生活習慣を改善することによって、病気の発症を遅らせたり、コントロールしたりすることも立派な治療のひとつと言えます。
患者様一人一人のご希望を聞きながら、生活習慣の改善だけで様子がみれるのか、お薬を飲むメリットが高い状態であるのか、納得いただける方向性を一緒に考えながら、健康寿命を延ばして行きたいと思っています。

主な生活習慣病

高血圧症

高血圧症は、脳卒中、心筋梗塞、大血管疾患、慢性腎臓病の発症や死亡率が高まることがわかっています。高血圧の管理の目的は、これら疾患の発症を予防していくとともに、患者さまの充実した日常生活の質を維持することです。また、血圧を管理するためには、正しい血圧測定が必要になります。診察室内で正確に測定したとしても、白衣高血圧※1や仮面高血圧※2など診断が正しくなされない場合があります。そのため家庭血圧を測定し、診察室血圧と併せた評価が、お薬の選択や効果を判断するためにも大切になってきます。
※1 診察室や医療現場で測定した血圧が高血圧であっても、診察室外血圧が正常域血圧を示す状態
※2 診察室血圧が正常域血圧であっても、診察室外の血圧が高血圧を示す状態

どこからが高血圧?

分類 診察室血圧 家庭血圧
収縮期血圧 拡張期血圧 収縮期血圧 拡張期血圧
正常血圧 <120 かつ <80 <115 かつ <75
正常高値血圧 120-129 かつ <80 115-124 かつ <75
高値血圧 130-139 かつ/または 80-89 125-134 かつ/または 75-84
Ⅰ度高血圧 140-159 かつ/または 90-99 135-144 かつ/または 85-89
Ⅱ度高血圧 160-179 かつ/または 100-109 145-159 かつ/または 90-99
Ⅲ度高血圧 ≧180 かつ/または ≧110 ≧160 かつ/または ≧100
(孤立性)収縮期高血圧 ≧140 かつ <90 ≧135 かつ <85
日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会(編).高血圧治療ガイドライン2019.ライフサイエンス出版:東京,p18, 2019.
高血圧と診断されるのは、診察室での血圧が140/90mmHg以上または家庭での血圧が135/85mmHg以上の場合です。上の血圧(収縮期血圧)、下の血圧(拡張期血圧)のどちらか一方でも超えてしまうと高血圧となります。

脂質代謝異常症:高脂血症

脂質代謝異常症(高脂血症)とは、血清中の総コレステロール高値、LDLコレステロール高値、HDLコレステロール低値、血清トリグリセライド(中性脂肪)高値の状態を言います。これら脂質代謝異常症の治療は、心筋梗塞、脳梗塞、末梢動脈疾患などの動脈硬化性疾患の発症に重要です。ただし、血清数値のみならず、患者さまの年齢、性別、喫煙、合併する疾患(高血圧症 糖尿病)、既往症(冠動脈疾患 脳梗塞 末梢動脈疾患 腎臓病)などを考慮した多面的な経過観察や、生活指導、お薬の開始時期の決定が大切です。

どこからが脂質代謝異常症?

脂質異常症診断基準
LDLコレステロール 140mg/dL以上 高LDLコレステロール血症
120~139mg/dL以上 境界域高LDLコレステロール血症**
HDLコレステロール 40mg/dL未満 低HDLコレステロール血症
トリグリセライド 150mg/dL以上(空腹時採血*) 高トリグリセライド血症
175mg/dL以上(空腹時採血*)
Non-HDLコレステロール 170mg/dL以上 高non-HDLコレステロール血症
150~169mg/dL以上 境界域高LDLコレステロール血症**
日本動脈硬化学会.動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版.一般社団法人日本動脈硬化学会:東京,2022.
*基本的に10時間以上の絶食を「空腹時」とする。ただし水やお茶などカロリーのない水分の摂取は可とする。空腹時であることが確認できない場合を「随時」とする。
**スクリーニングで境界域高LDL-C血症、境界域高non-HDL-C血症を示した場合は、高リスク病態がないか検討し、治療の必要性を考慮する。
健康診断などの血液検査で「LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が140mg/dl以上」「HDLコレステロール(善玉コレステロール)が40mg/dl未満」「中性脂肪が150mg/dl以上」のいずれかが当てはまると脂質異常症の診断となります。

糖尿病

糖尿病とは、血糖値を下げるホルモンであるインスリンがうまく働かないことによって血糖値が上昇する病気です。
軽度の場合はほとんど症状はありませんが、重症になると口が乾く、尿が近い、倦怠感、体重減少などの症状がでています。血液検査で診断が可能です。自覚のないまま放置していると、徐々に動脈硬化をはじめとする糖尿病の合併症が進行し、気づいた時には失明や透析、下肢切断などが避けられない状態になっている場合があります。
合併症は早期から適切なコントロールができていれば避けることができます。そのためには、早期から生活習慣の改善と治療が重要です。糖尿病だけではなく、他の生活習慣病を合併している場合、各々の疾患も併せて総合的に治療していくことが動脈硬化の抑制に大切です。

3大合併症

①糖尿病網膜症
目の網膜には毛細血管が網目状に張り巡らされています。血糖値が高い状態が続くと細い血管が詰まることで酸素や栄養分が不足し、網膜症を起こします。初期には自覚症状がほとんどなく、糖尿病を放置していたり、治療が不十分だと、5年間で10%、10年間で30%、15年で50%、20年間で70%の方に網膜症が発症し、進行すると失明に至ることもあります。早期発見、早期治療のためには、眼科での定期検査を継続する必要があります。
②糖尿病神経障害
糖尿病神経障害は3大合併症のなかで一番早く発症し、5年程度で末梢神経と自律神経の両方を障害し様々な症状を引き起こします。手足のしびれや痛み、手足の先の感覚が鈍くなる、汗を異常にかく、逆に汗がでない、立ちくらみなどの症状がみられます。重症化すると手足の先に壊疽を起こす原因となります。
③糖尿病腎症
腎臓は尿を作る重要な臓器であり、毛細血管が密集しています。高血糖が10年~15年続くと、次第に血液の濾過機能が障害され、進行すると腎不全を起こし、血液透析が必要になります。糖尿病腎症は、日本における透析導入の原因、第1位の疾患であり、患者数は年々増加しています。

どこからが糖尿病?

糖尿病の診断は、「血糖値」と「HbA1c」で判定することになっています。
血糖値(グルコース)…血液中の糖の濃度。食事による影響をうけ、一日の中で大きく変動します。
HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)…過去1〜2ヶ月間の平均の血糖値を示す指標。

これらが以下の①~④のいずれかに該当すると「糖尿病型」と判定され、別日の検査でもう一度該当すると「糖尿病」と診断されます。HbA1c・血糖値ともに高い場合や、症状や合併症がある場合には1回で「糖尿病」の診断になることもあります。
①HbA1cが6.5%以上 (HbA1cの正常上限は6.2%)
②早朝空腹時の血糖値が126mg/dl以上
③好きな時に計測した血糖値が200mg/dl以上
④経口ブドウ糖負荷試験の2時間値が200mg/dl以上

高尿酸血症:痛風

尿酸とは、細胞が生まれ変わる際につくられるプリン体という物質が分解されてできた最終代謝産物です。通常、尿酸は尿といっしょに排泄されますが、尿酸が過剰につくられたり、うまく排泄されなくなると、血液中の尿酸値が高くなります。 高尿酸血症とは、血液中の尿酸値が7.0mg/dl以上をいいますが、それ自体では自覚症状はありません。自覚症状のひとつに、関節炎があります。尿酸が高い状態を放置すると、尿酸が結晶化し、関節部などにたまって炎症をおこし、激痛を伴う発作(痛風発作)が起きます。発作自体は消炎鎮痛剤などの治療で1週間~10日で落ち着きますが、ここで油断して放置してしまうと、関節炎によるコブのようなものができたり(痛風結節)、腎機能障害や尿路結石のリスクを高めます。 尿酸の結晶は、血清尿酸値が6.8mg/dl以上で析出するといわれていますので、余裕をもって6.0mg/dl以下に保つことが治療の目標です。痛みが生じていない時でも、尿酸値が高くならないよう食生活の改善などを意識することが大切です。

花粉症治療

花粉症とはスギやヒノキなどの植物の花粉が原因となってくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、のどの不快感、全身倦怠感などの症状を起こすアレルギー疾患です。

治療薬

経口薬(飲み薬)、点鼻薬(鼻噴霧用)、貼付薬(貼り薬)、点眼薬などで治療を行います。時期や症状によって効果的なお薬の種類は異なります。毎年の症状の出方や生活スタイル、現在の症状に合わせて患者様に適切なお薬を処方致します。

初期療法

症状がでる2週間程度前(症状が出る前)、もしくは症状が軽いうちから治療を始めることを初期療法といいます。
<初期療法で期待できること>
  • 症状の発現を遅らせる。
  • 飛散量の多い時期の症状を軽くする。

  • 結果、処方される薬の量を少なくする事ができるので、花粉症にお悩みの方は早めにご相談ください。